nooooooote

行きたい時に行きたい現場に行く永遠のにわかオタク。全次元の男子バレー関連、若手俳優、隣国アイドル、J事務所、スケートなどを鬼の形相で追っています。

VNL2018ブルガリア戦、ある西田有志ファンが感じたこと

 

2017年11月18日のまだ16時にもならない頃、春高にあと一歩のところで手が届かずサオリーナのメインアリーナの端で涙を流す彼を見てしまってから、どうしても「海星の西田有志」を諦めきれずにいたただの動ける系ライトオタクがみた西田有志の話を書くだけの記事なので見て見ぬふりをしてくれ~~~~!多分めちゃくちゃ長いしきっとブルガリア戦の技術のことに関しては殆ど書かないからよろしくな!!!!!!!

 

私が彼を知ったのは彼が高校二年生でアジアユース大会のための全日本ユースに選出されたのが話題になった頃。つまり本当にめちゃくちゃ最近で、JOCの頃からナイッサーユウジしているみなさんちょっとお邪魔しますよの気持ち。

 

その頃ちょうどアニメハイキュー3期の白鳥沢学園戦の放送が始まってすぐのあたりだったので、そういえば今の実際のユースにはどんな選手がいるんだろう?と調べていたところ、ワケあってよく知っている海星高校からもユースに選ばれている選手がいることを知った。

 

 試合動画を漁っていると、どうもその辺の高校生じゃそうそう止められなさそうなパワースパイクでガンガン殴りかかってくる姿が見えた。あまりの迫力に思わずちょっと引いた。めちゃくちゃよく跳ぶしとにかく打ちまくるし気迫が違うし、トンデモな位置に飛ばされたボールも拾うレシーブの安定感や得点源になるほどコントロール力のあるビッグサーブもすごい。一人いるだけでチームの空気ががらりと変わる、あんなのがいるチームと戦う相手はたまったもんじゃないなと思った。

なんか牛島若利感あるよねと思ってよくよく見ると、あっなるほど左打ち、エッ、ひだ、ひだり……UCHI...(何かが落ちる音)みたいになって気が付いたらナイッサーユウジ!(ダンダンダダダン)になっていた。海星の応援たのしいよね。わかる(わかる)

 

 

彼を知ってすぐ2年生の春高県予選決勝を見て、第五セットまでもつれこんだ激しい戦いの中、怪我をして途中離脱しコートに戻れないまま試合を終えることになった2年生エース西田有志の涙を見てこれ来年は絶対強くなるぞ!!!!って勝手に期待していたら本当にインターハイで代表の座を勝ち取って全国の舞台へ行ってしまったのでブリザードに耐える皇帝ペンギンみたいな顔で泣いた(よく分かんないけど多分凄い。Google先生に聞いてください)

 

東福岡との殴り合いを制したこと、あの清風を倒していきなりベスト16入りを果たしたこと、諦めない強さみたいなものがチーム全体に広がっている感じがビシバシ伝わってきた。全国の舞台で海星のバレーが通用することを証明するような大会だった。

 

同時期、ユース世界選手権の大会のほうには代表として選出されなかったようで、有名な鎮西エースの鍬田くんもまた選出されず、そういうこともあるのかと頭の隅の隅で考えたくらいで、私の頭の中は「海星の西田」の活躍でいっぱいだった。

インターハイでの活躍はネットや雑誌でも記事になった。

 

sports.yahoo.co.jp

 

 

彼は絶対に春高でまた全国に行く!!と信じて疑わなかったしサオリーナ客席の一番前の列に陣取って絶対にその瞬間を見届けるしかない!!!!!と思っていた。

 

迎えた春高予選決勝・三重県代表決定戦。副審側一帯の一般観戦席は地元でニュースになって西田くんを知っているらしい人の山で、空気はまるで海星のホームだった。

 

男子の公式練習が中盤まで来た頃、急に西田くんが足をがっつりテーピングしたり周りの人に揉んでもらったり気にしている姿が見えた。「どうしたんだろう?」と思ったけれど、名前が呼ばれてコートに入った彼が早速大きくガッツポーズしたのを見てきっと大丈夫だ、と思っていた。第1・第3セットを取られてしまっても、第2セットでは立て直していたんだからまだ大丈夫だと思っていた。

 

試合が終わったのは、思ったよりも早い時間だった。

 

 

結局彼の口から聞けたのは「メンタルの弱さが出た」ということだけで事の詳細は語られなかったし、それを明らかにしないことを望んでいるのだろうからあまりただのファンが言及すべきことじゃないんだろうとは思う。

でも、あの日の西田有志は本調子でなかっただろうとだけは言わせてほしい。何も知らないただの観戦客の感想として言わせてほしい。

なんとなくいつもより調子が良くないかもしれない。いつもより西田くんにトスが上がらないような気がする。大丈夫、ちゃんと立て直せる。ところであのテーピングはなんだろう?

 

そう思って応援していた第4セット終盤、どんな劣勢の場面でも攻める姿勢を崩さなかった彼がついにジャンプサーブを打てなくなり、さらにそれがサイドラインから大きく外れてアウトになったのを目にした時やっと本調子でなかったことが確信に変わったのをはっきり鮮明に覚えている。喉がヒュッとなった。最後まで気迫やチームの鼓舞や1点を喜ぶ姿勢は変わらなかったけど、春高には繋がらず、彼の高校バレーが終わってしまった瞬間を目にした。

 

大きな体育館の隅で、静かに泣いた海星の1番の背中を見た。

 

 

f:id:huntermasa:20180613123757j:image

 

 3年間彼のバレーを追いかけてきたわけでもないのにとてつもなくショックで、喪失感でいっぱいになった。3年間の期限付き、チームみんなで繋ぐ競技、たった一球が運命を分ける、高校バレーはあまりにも魅力的で残酷だった。最後のボールが落ちた瞬間容赦なく整列させられ速やかにコートから出て行くことを強いられてるみたいなあの光景を今思い出しても呆然としてしまう。

 

 

後の活躍はバレーファン知っての通りだけど、彼が高校バレーを終えるのを待たずに発表されて喜んだはずのVリーグに進む件も春高県予選が終わった後からなぜか自分の中でしっくりこなくなった。1月、実際に試合に出て新しくジェイテクトで活躍している映像をみて「ほら見ろ!やっぱり彼は強かった!すごいだろ!」と言いながら観劇オフ期間だったにもかかわらず取れるチケットも取らず試合も見に行かずの宙ぶらりんだった。スマートフォンのロック画面は海星の1番を着た背中のままだった。

 

 

 

ジェイテクトでプレーし始めて一ヶ月しないうち彼の名前は瞬く間にバレーファンの間に広まり、嬉しい反面、彼の海星バレーが終わったことをじわじわ実感して何とも言えない気持ちになっていた頃、こんな記事が出た。

 

sportiva.shueisha.co.jp

 

 

 

中学3年生のときには愛知の星城高校さん(石川祐希の母校)などからの誘いをお断りする形で、地元の海星高校に行くことを決めました。 

 

彼が高校に入る前ってつまり、愛知県星城高校が2年連続3冠を達成し大盛り上がりだった頃。次の戦力を固めるためにきっといい選手が欲しいと星城が思っていただろう時期。そんな強豪中の強豪みたいなチームが欲しがった西田有志。彼は星城の誘いを断って自分の意志で海星に来た。

 

number.bunshun.jp

 

 

「強いところに行ってずっと上にいるより、下から倒していくほうが楽しいというか、そっちの方が人生的にもいいかなと思ったので」 

 

下から倒していく方が楽しいから強豪に行かなかった(!)というところも、中学時代指導者がいなくて自分が指導していたところも、優秀な苗でありながら雑草魂みたいなのもあって、すごく彼っぽくてうわ~~~~~~~~~~~西田有志じゃん~~~~~~~~~とならざるを得なかった。土壌が無いなら自分で作ってしまえ。耕して肥やして強いバレーの出来る場所にしてしまえ。下から倒していく方が上にいるより楽しい、全部「倒す」前提で話してる。中学生の頃にもうそんな考え方をしていたらしい。

それが聞けただけでなんとなく心にすとんと落ちたというかスッキリした気持ちになった。ちゃんと彼が選んだ場所で、海星のバレーがインターハイで・全国で通用することを証明したし、彼はちゃんと自分で自分の選んで続けてきた高校バレーを終えたんだなと思えた。

 

 

 

この後すぐ彼の全日本登録が発表されて頭抱えた。近年柳田将洋は宗教であると唱え続けている(いない)わたしは、いつか二人が同じコートに立てる日が来るといいなと思ってた。もう来てしまう早すぎ嘘でしょ高校生Vリーガー階段駆け上がるどころか突然離陸してない??大丈夫?両腕両足に4発エンジンでもついてるの???

 

試合に出られるのはいつかなあとドキドキしていたらVNLと親善試合でさっそくメンバーに選ばれて活躍する、どころか前半戦の得点ランキング世界5位以内に入ってしまうほどの大暴れっぷり。なんなら柳田さんとコートに立つどころか柳田さんが上げたトスを西田くんが決める場面もあって心臓止まった。一度は止めて返されたボールを体勢を崩しながら柳田キャップが上げて、もちろん西田くんにがっつりブロック付かれるんだけど「うるせえ殴る!!!!!」って感じでぶん殴り返してた。ありがとう、いつもの西田有志です。

 

試合の中での修正能力は相変わらず高くて、一度止められたら次にどう打てば得点に繋がるか考えてすぐに実践できるあたり、なんて聡明なんだと思った。

柳田キャップにわしゃわしゃ褒められ、何故か貫禄たっぷりの背中ポンで返してしまい叩き返される西田有志、みたいな図見たときは腹抱えて笑った。肝が据わりすぎてる。色々夢が叶って、試合で楽しそうな彼を見て嬉しくて嬉しくてVNL大阪1日目で初めて海星の西田有志じゃなく「全日本の西田有志」の試合を生で見に行くことにした。

 

 

ブルガリア戦は~~じま~~るよ~~!!

 やっと本題。6/8の試合を見に行ってきました。代表男子の試合の生観戦は去年のグラチャン名古屋と大阪ぶり。ストレートで負けた!(出オチ)

 

 

この日はなんだか噛み合わない場面が多かったし、今の彼らにとってザ・相性の良くない相手だったのかもしれない。ど素人が見ていても向こうが打ってきた所に拾う人が悉くいなくてこっちの攻撃もあまり決まらないっていうのがずっと続いていた試合だった。

ただ収穫は沢山あって、本当に見にいってよかったしやっと全日本の西田有志とジェイテクトの西田有志を心からすっきりばっちり応援できそうだと清清しい気持ちになった。

 

全日本にいる彼を見ていて思ったのは、本当に終始めちゃくちゃ楽しそうで、かわいがってくれる先輩達がたくさんいてよかったということ。張り切りすぎて山内先輩に引っ張り戻されたり(映像が出回ってるので見逃した人はツイッターとかで探してください)ハイタッチからもうオラオラ感がナイスゴリラな西田くん。あまりにオラオラしすぎててコートに行くとき健太郎さんとか浅野さんに背中とかお尻とかバシバシ叩かれまくってんのめちゃくちゃ笑ったし愉快~~~~~かわいがられてるんだな~~~~って和んだ。

最初ブロックに捕まって下げられた時も井出さんが太ももガッて掴みにきてほらほらどうした〜〜って感じで励まされてたり下がってすぐ浅野さんが寄ってきて姿勢がどうのとか見本を見せて教えてくれたりしていてなんかもうなんか。全日本男子の皆さんにめっちゃいいお米一年分とかプレゼントしたい。

 

チームだから当たり前なんだけど、その様子をやっと肌で実感して嬉しくなった。彼は全然一人なんかじゃない。

 

度胸も相変わらずなので先輩にもぐいぐい行くし声も自分からかけるしその気概がいい感じで買われてるんだとは思うんだけど、交代で入ってきた高野パイセンの肩もみもみしてリラックス〜〜ってやってあげてるの見た時はさすがに笑った。この人ほんとに18歳か?(18歳です)

ジェイテクトの試合の映像見たとき実況の方が食い気味に「高校生ですよ」って言った数分後に彼のスーパープレーを見て自分で「高校生ですか?この人」って聞き直したのめっちゃ笑ったけど今なら気持ちわかる。18歳ですかこの人???

 

一番嬉しかったのは、ここミスったら負けが決まるって場面でも臆さず思い切り打ち込んで決める日本代表の西田有志の姿が見れたこと。ここぞでノータッチエース決める姿も見れたこと。あの時はきっと体の状態とかいろんな事情があって仕方なかったのだと思うけど、海星最後の試合のことを思い出してじわっときた。

そしてここぞでの客席からの応援が日本!日本!コールで、ああ本当にこの人いま国を背負って戦ってるんだなってめちゃくちゃ鳥肌立った。

負けてしまったけど、ちゃんとそこに学ぶことを探している彼のインタビューもさすがだなと思った。これだからすきだ~~~~~!!!!

 

 

彼のバレー選手としての新たなスタートを応援するのが少し遅れてしまったけど、これからの彼の活躍がやっと本当の意味で楽しみになった。がんばれ西田有志~~~~~~!!!!!動ける系オタクの財布もがんばれ~~~~~~!!!!!!体力はなんとかする!!!!!

 

 

 

どうでもいい余談

  

序盤で牛島若利っぽいとか勝手な独断と偏見を押し付けて言ってしまいましたが身長・体重・最高到達点がほとんどニアミスしていて利き腕・ポジション同じ、主将で大エース、全日本ユースに選ばれてるのも同じなのに

  

「優秀な苗にはそれに見合った土壌があるべきだ

痩せた土地で 立派な実は実らない」 

 

な牛島若利に対して

  

「強いところに行ってずっと上にいるより、下から倒していくほうが楽しいというか、そっちの方が人生的にもいいかなと思ったので」 

 

で思いっきり真逆な考え方なの最高じゃないですか??????????

どっちも正解でどっちも間違いじゃない。でも牛島さんの言う「優秀な苗」の中には、わざわざ「それに見合った土壌」を求めなくとも自分で土壌を作ってしまうタイプがいて、どっちのバレーも全国で通用するのだと証明した西田有志がとてもすきです。

 

イタリアにフルセットで勝利おめでと~~~!!