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行きたい時に行きたい現場に行く永遠のにわかオタク。全次元の男子バレー関連、若手俳優、隣国アイドル、J事務所、スケートなどを鬼の形相で追っています。

ゴミ捨て場の決戦・配信10/31,11/1 ~良かった 間違ってなかった~


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ついに演劇ハイキューの中の長い長い因縁のひとつ「ゴミ捨て場の決戦」が開幕し、終わって欲しくない方の意味の「始まってしまった」で胸がいっぱいのバレーボールのオタクです。コロナの色々で数年ぶりに東京公演には行けないハイステが始まりましたが優しい運営が配信チケットを売ってくれたので初日2公演と2日目ソワレを観ました。

 

 

 

期待と不安と色んな感情ごちゃ混ぜで待っていたところに、演劇ハイキューでの烏野と音駒の今までがつまったストーリー、演出、音楽と原作で触れられる幼馴染二人のバックストーリーが一斉に飛び掛ってきてタコ殴りにされたような気持ちで今これを書いています。いつもの如くあくまでお気持ちだらけの感想記事であり決してレポにはならないので、もしこんな怪文書を読んでくれる人がいたらどうかレポ的なものには期待せず動物園の珍獣の檻の前に立っている気持ちで読んでください。

 

 

 

オープニング

 

試合開始後1点目を決めたところでスガさんの「祭じゃあ~~~っ!!!」で最強の挑戦者と同じリズムの和太鼓から始まり、演劇ハイキューメインテーマをゲーム音っぽいラスボス感あるアレンジにしたものに移り、さらに和アレンジのメインテーマに変わったと思ったらそのまま戸美→音駒のテーマへ。オープニング音駒パートの振付が「烏野、復活!」のオープニングの完全再現から始まるのが、あの時の約束を夏合宿と東京予選を越えて果たしに来た感あってすごくいい。四方八方から音駒の選手が飛び込んでくる(当時いなかったリエーフと芝山はラストカウントで入って来る)ところから揃って地面を這ってレシーブ、研磨のトスまでカウントも全く同じ。これを全員揃ってやってくれたのがあの時いなかったメンバーもあの時からずっと音駒の一員だったような気持ちで見られて嬉しかったです。あと「烏野、復活!」オープニングの黒いバックに台詞が出てくる演出が大好きなので復活してて小学生ぶりにバンザイした。

 

そして烏野の登場は最強の挑戦者のエンディング曲(メインテーマの8分音符部分を2拍3連に変えたりしたテクノポップっぽいアレンジ)。これ烏野の曲になったんだな〜〜〜という気持ちで見てたんですが飛翔以降の新曲で一番好きです。最強の挑戦者のエンディングイメージが強いけど盛り上がりの意味では確かに烏野の登場で使いたいよなと思った。「繋ぐ!」がバラバラに言って繋いでいくスタイルなのも傾斜を活かした最後の縦型フォーメーションもいいな~!

 

全員でのユニゾンにサイドステップを入れがちなのとその後のステップがこれまた地力がないと足元バタついて見えるやつになってしまったのは忘れることにします。

 

 

 

 

烏野を導く音駒と「こいつらにはこいつらの因縁がある」

 

うまく文字化できる気がしないんだけど、ちゃんと「烏野と音駒のゴミ捨て場の決戦になっていた」のが良かったなと思ったので書いておきます。鳥養コーチの言葉を借りるなら、「こいつらにはこいつらの因縁がある」。研磨と日向、夜久さんとノヤっさん、黒尾さんと月島くん、トラと田中さん、そして猫又監督と鳥養監督。物語中の音駒はライバルでありながらいろんな場面で烏野の面々を導いてくれたり切磋琢磨してきた存在でもある。加えて座組としては、初代烏野も倒したことの無い音駒を倒さなければいけない烏野と、因縁の相手との約束を果たしに来た音駒。

 

表現が乏しくて別の受け取り方をされないか心配なのだけど自分が言いたいのは、これまで先代とやってきたシーンや台詞を音駒が新生烏野とお互い対になる存在同士でなぞっていくことで、今までの物語とちゃんと繋がっていることを感じさせてくれる構成だったということ。別物にして初代烏野と音駒とのつながりを無かったことにしたり置いてけぼりにはしていなかったし、それでいて彼らの新しい因縁も生んでくれていた。無理やり先代の映像を入れただけで繋いでますと言われるよりは、お互いのやりとりの歴史をなぞって「自分たちの因縁」をそこに生みだすほうがずっと効果があるなと思いました。(飛翔のあれは初代烏野から既存他校への「託す」だと受け取ったのであれはあれで勝手に納得して消化しています)

 

猫又監督の「最近のバレーはどうだい?」に対する黒尾さんと月島くんの「良かった 間違ってなかった」「ありがとうございます」はどうしたって泣けてくるし、「ツッキーあんま頑張んないで!ラリー長引くと疲れるでしょ!!」「黒尾さんが頑張んなきゃすぐ終わるんじゃないですか!」なんかもすごく良かった(今回月島くんさんかなり良かった気がする)。

 

もうあまり掘り返したくはないのだけど、この夏これまで劇団が経験したことの無いような類の反響を非常に大きな規模で浴びた件があり悲しみや不安があったのは多分自分一人ではないと思うので、物語をしっかり再現してくれたことに感謝です。この空気を作るのにどんなに苦労しただろうと思う。そりゃあ出来上がったものを見るオタクより実際に関係性を作って演じる本人達の方がずっと複雑に決まっている。

 

エンディング後、日向と研磨が真ん中で挨拶して音駒2人と烏野2人でそれぞれ残ってお辞儀して出ていくの、すごくよかったです。ゴミ捨て場は烏野と音駒両方の物語だというのを貫いてくれているのかなと受け取りました。それとは別に、初代烏野や他校みんなの卒業を見届けて誰よりも長くここにいる音駒の2人が新しい烏野の勝利に立ち会ってくれたことへの感謝 is COSMOSだったのであのラスト2人残るのもグっとくるものがありました。話が長い

 

 

 

 

孤爪研磨という人

「研磨」の枠の中でどんどん演技の幅を広げていくなあというのは東京の陣の時にも感じたことだけど、今回はさらにすごかったなあと思いました。圧倒されてしまう。

大人しくて静かであまり動かないというのは彼のほんの上澄みであって、この試合の研磨はずっと求めていた餌にありついた狂人のようなサイコっぽさもあり、普通の高校スポーツ選手でおもしろいことが好きな男の子でもある。楽しそうに笑ったかと思えばこの世の終わりみたいな静かな声を出し、目が据わり、さあどうやって食べようかという顔をする。

こんな奴どう倒せばいいんだという恐怖すら感じさせる姿を見せる一方で、チームの中にいると「やめて~~~~」「もうしんどい」「ここに来て根性とかやめようよ...」と溢したり幼馴染相手には「『さてとやらなくちゃ』って思うのは悪くないよ」と素直な考えを言ってみたりする。

 

研磨には特別な思い入れなんてなくてただこの試合を攻略しているだけだとわかっているはずなのに、終盤どうするか迷ったボールを上げた時の「クロ!!!!!」にはものすごく心を鷲掴みにされる。

 

何度も言うことだけど、自分は彼の演じる研磨に出会っていなければここまでハイステに執着することはきっとなかっただろうと思う。新しい世界を教えてくれてありがとう。永田研磨はいつも新しいね。

 

  

 

 

 

東京の陣の役作りによる伏線

 

海信行さんへ 視線奪うのやめてもらっていいですか オタクより

初日マチネ、黒尾さんが最後の整列で涙で声を詰まらせてしまったとき、海さんが背中をさすっていたのを見て感謝すぎて手を合わせて拝んでしまった。東京の陣で最後の最後まで3年生で唯一コートに残っていた海さん。思慮深くて菩薩で芯が強い海さん。特典映像DVDでも音駒みんなが海さんの演技の裏話を持っているほど細かく役作りがされていたことに感服だったのだけど、そこでの役作りが今回に活きているのがすごいなと思いました。一つひとつの行動への説得力の出方が違う。

 

・急に出ることになって不安な芝山に目線を合わせて声を掛ける

・ベンチにいるリエーフにもちゃんとタッチ

・黒尾さんが熱くなって大将に言い返した時に「お前まで何だ」と回収してロータッチ

・黒尾怪我離脱で黒尾さんに大丈夫だと声掛けした後、夜久さんが抜けた時に動揺していたエースのトラにも声掛け  

東京の陣・5/5マチネ ~音駒と100回記念公演と179度~ - nooooooote

 

 

リエーフが「研磨さん!何で分かったんですか?」と聞きに行くシーンでやりとりを後ろで見ていた海さんが「それもあるけど...」と説明する研磨と理解できていないリエーフの後ろから出てきて代わりに説明してあげる(ここからマイクが烏野側に切り替わるので声は聞こえない)ところや、ポジション争いをすることになる犬岡とのやりとり。東京の陣で夜久さんの抜けたチームの攻守をあれだけ守った人からの「まだナイスレシーブとはいわないよ」の説得力、そして終盤の「ナイスレシーブ」の重さ。ぐっと噛み締める犬岡くん。

 

話が長い。

あまりに海さん関連の話が長すぎるのでこれは犬岡くんのコンバートの話とポジション争いのリアルについての話と一緒に書きたいし後日まとめます。今言いたいのはただただ「説得力がすごい」だけです。

 

 

 

ハイステ、和田さんの鳥籠の中

 

新曲・アレンジともに「最高」を更新中の和田俊輔大先生のハイステの音楽。冒頭で書いたようにオープニングからゲーム音ラスボス曲テクノポップ調にピアノの入った演劇ハイキューメインテーマ使ったのもいいし、クライマックスの場面でケルト調を入れるか〜〜〜〜!という発見もあって楽しかったです。 

特に鳥籠の曲は音駒の音楽のメロディラインをフルート(鳥っぽい)でストリングス・ハープの伴奏に加えてリズム隊がバスドラと摺鉦?みたいな金属を叩く音、鳥籠をめちゃくちゃ上手く表現されていてすごい~~~~!怖い~~~~!となりました。

 

既存曲やアレンジ曲についても全体的に「烏野、復活!」「進化の夏」「東京の陣」と、音駒のこれまでを盛り込んだ曲を使いながらも「飛翔」の音楽も混ぜて新旧烏野と音駒のすべてを詰め込んだゴミ捨て場の決戦に相応しいラインナップ。

ハジメマシテ色付ク世界」があのキルブロックのシーンで使われるのもちょうどあの夏月島くんに黒尾さんが教えてくれた内容なのでピッタリだなと思うし、サーブ&ブロックが「進化の地平線」なのは意外だけど2人の成長というよりは進化の夏の延長線上の話なので納得できる。

 

既存曲のアレンジで面白いなと思ったのは影山がオープン上げて研磨が焦ってる時の電子解析音からの音楽(The Brainのアレンジ)、テンポが明らかに速く調も2度くらい高くなっていて冷静な研磨が初めて焦りで計算が狂っていく感が演出されていてすごいなと思いました。東京の陣の良いシーンで使われていたからこその印象の変化。ハイステの空気は全て和田さんの手中、鳥籠、か~んせ~い

  

 

 

 

日替わり:リアルに福永くんがツボな研磨

 

研磨にトラが気合を入れる(?)くだりは日替わりらしく、10/31は両部とも「気合は試合だ!」「いや試合は気合だ、でしょ」というやりとりだったのだけど11/1ソワレは急に福永くんの謎かけが始まり、研磨(崇人)には知らされてなかったのかツボに入ってしまったシーンがありました。


猛虎「気合いには研磨が必要だ〜!気合だ!気合だ!気合だ!」
福永「(急に)整いました!!!!」

猛虎「え?何?」

福永「気合いとかけまして木材とときます。その心は、どちらもケンマが大事でしょう!」
猛虎「お〜〜!(拍手)普通に上手いこと言うな!」
研磨「も〜〜〜〜しんどい………(笑)」

 

これがあっての試合終了後の音駒二年生のハケる前のやりとりが

 

猛虎「研磨〜!根性見せたな!」
研磨「も~~~それやめてよ……福永のやつちょっと面白かったあ……(笑)」

福永(満足げな顔)

 

 

 

 

「どこ見たっていいの!」の真理

 

どこを見ればいいか...と迷っているアリサお姉様へ猛虎の妹あかねちゃんが言ったバレーのオタクにも演劇のオタクにも刺さる言葉。

「どこ見たっていいの!」

「ボールを見てもいいし、ボールに触ってない選手がどう動いてるのか見てもいいの!」

「コートの中に面白くない人は居ないの!」

 

バレーの試合を見ていて頻繫に思うことでめちゃくちゃ真理を突いてるなと思うし、「バレー観戦行ったことないからどう見ればいいか...」と不安に思っている人にもこれが言いたかった!と思う。ボールの動きを追うのが精一杯になりがちだけど、コートの中には情報がいっぱいでどこを見たって楽しい。コートの中どころかリザーブエリアの選手もみんな必死だし、タイムアウト中の盛り上げ役やベンチからの助言をどう聞いているかも気になる。

舞台も同じで、定点で誰かを追っていてやっと気付くこともあるし、全景を見渡していてわかることもある。深いですね。あかねちゃん、徳が高すぎて中学生を尊敬する20代女性の図になってしまう。

 

 

 

演劇ハイキューとバレーボール

 

さて、あまり中の人と役とを同一視しすぎたくはないんですがここからは東京の陣バクステ映像で「演劇ハイキューで夢が叶った、やっと春高に行けた」と語った言葉に甘えてずっと考えていた中の人の話をします。再三言っていることなんですが自分の感想を整理して残しておきたいためのブログなのでうるせえババアという気持ちになりそうな方はページを閉じてあったかいものでも飲んでください。

 

先日、関西ローカルの番組で高校バレー時代の映像とともに当時の話をする頌利先生を見ました。

 

 

 

試合動画切ったやつを見せてくれたり配信でちょろっと話したりと断片的に高校時代の話は知ってはいたけど、センターエース・唯一の3年生スタメンとしてコートに立ち僅か2枠の大阪府代表を賭けて戦った彼の「勝っても負けても絶対泣くと思ってたのに、あまりにもボロ負けで泣けなかった」という話と、あと一歩春高に手が届かず試合後のインタビューで「バレーボールに感謝してます」と真顔のまま答えた映像を見て、演劇ハイキューで音駒に来てくれて本当によかったと勝手に思いました。

頌利先生の言うとおり数年越しの春高にも行けたし、代表決定戦で勝って涙したし、負けてもやり切ったという気持ちで泣ける未来が今ここにある。

 

演劇ハイキューは彼にとって沢山ある仕事のうちの一つで、自分の知らない色んなほかの作品でも沢山の事を身につけたり学んでいるだろうし、例えばもしかしたら普通に大学を出て俳優ではない何か別の仕事をしていた可能性や俳優をやっていても演劇ハイキューに出会わなかった可能性だってある。

 

それでも初日マチネの春高3回戦の舞台、最後の整列で涙で声が出なくなった黒尾さんを見ていてふとそれを思い出してしまい、いろんな意味をこめて高校時代の経験や自分の選択に対して頌利先生が「良かった 間違ってなかった」と今少しでも思えていたらいいなと思った、という話でした。

 

初日マチネと春高大阪代表決定戦がだだ被りで心臓止まりそうになりながら2窓していたゴリラの話なので話半分で受け取ってください。

 

 

 

 

他にも矛盾コンビの話とか夜久さんと芝山ちゃんとか海さんと犬岡くんとか、犬岡くんのポジションコンバートの話とか新しいリエーフがすごくリエーフとか、旭さんの「約束できかねる」がよかったりとか後半の後半でちゃんとサーブルーティンのバク宙やる鐘ヶ江くんの体力どうなっとんねんとか言いたいことはめちゃくちゃあるのだけど、特におじいちゃん監督2人と監督コーチの演技が良すぎて涙腺死んでしまった話なんかはここで書いておきたかったのだけど、また話が長くなってて(既に文字数6700超えてる)さすがにアレなので書き溜めて次回までとっておきます。

次回がありますように。大阪できっと会えますように。どうか誰一人欠けることなく最後まで全公演を走り抜けられますように。以上、強欲な壷系オタクの怨念願いでした。