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行きたい時に行きたい現場に行く永遠のにわかオタク。全次元の男子バレー関連、若手俳優、スケート、隣国アイドルを鬼の形相で追っています。

春高バレー2019、 水町泰杜の背中と「エース」のメンタリティ

 

 

 

 

1月12日、春の高校バレー準決勝第三試合終了の笛が鳴った時、天真爛漫なイメージからは想像もつかないような思いつめた顔で整列する3番の背中を見た。去年の今頃、高校バレーの頂点を獲る最後の鋭いダイレクトを決めて満面の笑みを浮かべた彼の面影はそこにないような気がした。

 

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フルセットを使った東九州龍谷下北沢成徳の文字通り死闘だった第一試合、女王・金蘭会を相手に第3セットで驚異の粘りを見せた八王子実践の第二試合を終えて「さあここからだ」と意気込んで姿勢を正す観客の空気を肌で感じたちょうど1時間後、予想していた時間よりずっと早く決着が着いたと感じたのは自分だけじゃないと思う。勝者・清風の決勝進出を祝福する声と戸惑いの声が混ざって会場がどよめいているのを感じた。

 

0-3のゼロの数字が鎮西のほうにあるのを見て呆然としていると、第四試合に出る洛南と市立尼崎の選手たちが入ってきて公式練習を始めた。瞬間、黄色の3番を着けた彼の目から涙が溢れ出すのを見た。

 

 

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水町泰杜という人を知ってから一年

 

 

彼をちゃんと認識したのは2018年1月、春高決勝のテレビ放送。2017年11月に西田有志率いる海星が県予選決勝で敗退し彼が高校バレーを終えたのを目の前で見ていて、あまりのショックでもう今年の春高なんか見ない!!!!!!という謎の小物感を発揮していたので試合日程はおろか出場校も把握していない状態だった。

 

たまたま決勝をテレビで見かけて、素人目にも鋭いスパイクを打つ彼を見て慌てて録画ボタンを押したのを覚えてる。凄い子がいる!ぐらいの軽い気持ちだった。マッチポイントの場面で主将でエース・3年生の鍬田くんの打ったサーブが相手を崩しそれをもう一人のエース・1年生の水町くんが容赦なくダイレクトで打ち込んで日本一を獲ったのを見て「少年漫画か????」「最高のバトンタッチじゃん」と思ったのも昨日の事のよう。

 

ヒーローインタビューで鍬田くんへの一言を求められ「大好きです」と笑った彼を見て、まるで天真爛漫という言葉を具現化したみたいな人だなと思った。

自分には到底できない・経験したことがないからというのもあって「エース」と呼ばれる人のメンタリティや考え方、姿勢とか人となりみたいなものにすごく興味があるたちなので、強豪の一年生でエーススパイカーと呼ばれあまりにも楽しそうにバレーをする彼が気になって彼に関する記事を探しては読み漁った。

 

中でも春高バレー2018の初戦に関する記事を読んだときはそのあまりの思考レベルの高さ・冷静さと、愚直なまでの一生懸命さを知ってぶったまげた。試合開始前に正セッターが突然抜け同じ一年生のセッター・前田くんが入ることになった時の、彼の立ち回り・やれることはすべてやる前向きで冷静な姿勢に関して書かれていた。

 

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おそらくフライングをしても届かない、そんなボールをあえて追う。目的は1つ。相手に傾きかけている流れを止めるべく、床を拭くことで少し間を作りたかったからだ。赤星が退場した瞬間は「こんなことは自分のバレー人生で初めてだったから、うそだろ。マジか、と思った」と笑うが、焦りながらも頭の中は冷静だった。

「相手の得点が続いた時とか、こっちのミスが続いた時は床を濡らして拭いたり、ボールを濡らして交換してもらったり、そういうことをあえてやっています。せこいって言われるかもしれないけれど、流れを変えるためには、結構それも大事なことだと思うんです」

 

 少しずつ時間を作り、中学の頃に熊本選抜でも共にプレーしてきた同学年の前田に声をかける。

「3年生とは1セットを戦いながら合わせていけばいいよ。困った時は俺が打つから」

決め急ぎ、相手のブロックに捕まる場面もあったが、単に得点を取るだけでなく、相手チームの状況も見渡しながら行動する。水町が作り出した小さなブレークタイムを挟むことで、少しずつ冷静さを取り戻した鎮西から、試合開始直後の動揺は消えた。

 

高校一年生、初めての春高、ここ一番で突然のハプニングが起こったときに「今はこういう状況だからあれやこれをやって少しでも時間を作ってチームが冷静になれる余裕を作ろう」とか考えつくもんなんですか??高校一年生で???普通なの????それとも彼が高校4年生と称される天才だから?????

わたしは見る専側の人間なので、普通にそういうことを思いつくもんなのか???と頭の上にハテナ2019個ぐらい浮かべるし、自分が高校一年生の頃同じ立場にあったとしてそんな冷静な対処はできないだろうと思います。

 

 春高後、下級生にして彼が主将に指名されたのも頷ける 。彼と同じく1年生リベロの荒尾怜音くんも優秀選手に選ばれていたのもあり、鎮西について鍬田くんがいること以外は全く無知だった自分にも彼らの優勝は強烈に印象に残った。

 

 

 

sports.yahoo.co.jp

 

 

 

それからアジアユースの日本代表で彼が主将になったのを知ったときは高揚した。熊本っぽい方角を向いて手を合わせた(多分合ってない)(熊本っぽい方向とは)

彼がユース代表の1番をつけた姿を見るのはわくわくしたし嬉しかった。

 

 

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第12回アジアユース男子バレーボール選手権大会(U-18)代表12人が決まる。主将に鎮西高・水町泰杜 | バレーボールマガジン

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7月末は日韓親善試合観戦で会場までの道中大雨に降られ(台風だったっけ?風凄すぎて前髪無くなったし駅から会場遠い)ゴリゴリに風邪を引いたりしてインターハイ観戦へは結局行けず、敗退のことを知った時はまた春高で全国の舞台に戻ってくるだろうとか、残念だけど次はきっととか思考ゆるゆるで考えていた。今思うと負けた試合を見ていなかったからこその楽観視だったのかもしれない。鮮烈な春高優勝を見て、負ける彼らのイメージが浮かばないままだった。

 

余談を挟むと、その後鎮西トリオで体育会TVに出てセッター1人・スパイカー2人でやるストラックアウト的なゲームで全日本男子の最強スパイカートリオ柳田・石川・西田を差し置いてパーフェクト達成しちゃった時の笑顔や、まさかのあき竹城を指名(スーパーナイスチョイス)する姿を見たときは、1月に春高で見た彼のまんまだなあと微笑ましかった。水町泰杜 is 世界平和。閑話休題

 

 

やっぱり熊本で代表を勝ち取った彼らは春高の舞台へ帰ってくることになり、それを知って都合を付けて準決勝から行くことにした。

その後の事は冒頭に書いたとおり。

 

阻まれる攻撃、崩れていく守備、上がり続けるトス。必死になんとかしようと戦うけれどじわじわと追い詰められていくのがこちらにも伝わってくる。

 

2セットを先取されて迎えた第3セットの最後、清風にマッチポイントを握られている崖っぷちの場面で、水町くんにサーブがまわってきた。険しい表情で祈るように額にボールを当てた姿を見たのは初めてで、彼の背負うものの重さが少し見えた気がした。

 

 

 

 

「エース」のメンタリティ

 

試合後の鎮西セッター前田くんのエースに関するコメントを読んで、胸がぎゅっとなった。何が起こっているのかわかっているのにどうにもできなくて焦ってしまうときってこんな感じな気がする。準決勝は水町くんを支えていた1年生スパイカーの日車くんがハプニングで抜けた時間も予想していたより長くて、水町くんに集まるトスはより多くなっていた。

 

勝つためにはアイツの力が不可欠だし、どんな状況でも『持って来い』と言ってくれる。エース勝負は大事だけど、でも苦しいです。あんなにボロボロなのに頼らなきゃいけない。助けてくれる存在だからこそ、申し訳なくて、何もできない自分が悔しいです。-(2019年1月23日/NumberWeb・前田澪)

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同記事内に、鎮西の応援席で準決勝を観戦していた前主将でエース・鍬田くんの水町君へのコメントもあった。彼もまた同じ経験をして、同じ気持ちで鎮西というチームを率いた人。水町くんが背負うものとそれでも戦う姿勢について、同じ鎮西の3番をつけた者としてやっぱり色々思うところがあったらしい。

 

「外から見ると、あんなに水町が1人で打ってきついな、かわいそうだな、って思いました。でもじゃあ同じ立場だった自分に対してそう思われていたらどうか。“かわいそう”って言われても、それ以上に『自分がやらなきゃ』っていう気持ちが強かった。

 たとえ足がつっても、それで打たずに負けることのほうが嫌だったし、実際僕も去年の春高は足がつっていたけれど、それでも打つのが当たり前。俺が勝たせるんだ、って思っていました」-(2019年1月23日/NumberWeb・中央大学/鍬田憲伸)

 

 

 

いろんなインタビューやニュース記事を読んでいて思うのは、「エース」と呼ばれる人たちのメンタリティと強いプライドはプレーの気迫は勿論、彼らの力強くて真っ直ぐな言葉からも感じられることが多いなと思う。勝てない時は自分が不甲斐ないせいだと責めるし、その多くが苦しい場面で決めるのが仕事でそれが当たり前だと言う。勿論ポジション上、役割上、言っている事は至極真っ当で間違ってはいない。

それでも、いつもそれを考えているからすぐにこの言葉が口から出るのだと思うととんでもないと自分は思う。そんなにも背負い込んだり責めたりしないで欲しい・無理しすぎないで欲しいと思うけど、同時にわたし達が経験したこともないような重圧と誇りを持ってプレーしているのをその言葉の節々に感じる。

みんなが繋いだものの最後を託される重みと喜びはきっと彼らにしかわからないのだろうし、だからこそそういう立場で戦う彼らがとても魅力的だと感じるし応援したくなる。

 

 

水町は終盤、足をつりかけながらも要所でスパイクを決めるなど、エースとしての仕事も全う。「コートから出たくなかった。ここで負けたら自分のせい」-(2018年7月29日/サンスポ・水町泰杜)

https://www.sanspo.com/sports/news/20180729/vol18072917190003-n1.html

 

中国、ポーランド、イラン、オーストラリア、カナダに敗れた日本は8チーム中7位に終わり、五輪出場は叶わず。「自分が不甲斐ないせいで負けた」と口にした石川は、4年後の東京五輪へ向け、ひとつの決意を固めた。-(2017年2月9日/AERA dot.・石川祐希

https://www.sanspo.com/sports/news/20180729/vol18072917190003-n1.html

dot.asahi.com

 

緊迫した場面で上げてもらって、そこで決め切らないとオポジットの役割は全然果たせないと思う。自分の気持ちがナイーブになってしまったらセッターとしても上げづらいと思います。-(2018年6月11日/SportsNavi・西田有志)  

https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201806110005-spnavi

 

 

とても魅力的であり無理をしがちな役割だからこそ、各所で言われているように酷使しすぎて未来ある選手が身体を壊すようなことはあってほしくない。専門的なことはわからないし、自分も分野は違えど「もうこれでダメになってもいい」と思ってやっていたことが高校時代にあったので、今だからこそ言えるだけであって高校生の自分に同じ事を言ったら何故止めるんだと言い返すのだろうけど。

 

高校バレーの「エース」という立場で、身体がどうにかなっても今の試合に出て戦い抜くのと、将来のことを第一に考え念には念をと試合に出ず負けるかもしれないのと、どちらがより後悔するのかは未来の彼らにしかわからない。だからこそ、将来後悔することがより少なくなるような周りの大人のサポートが必要なんだろうと思う。彼らがせっかく持った気高い誇りを削がずに、彼らの身体を守るというのはきっと難しいけれど。

 

number.bunshun.jp

 

 

  

 

重圧と翼は共存するか 

 

試合終了後、第四試合のアップが始まってから泣き崩れた彼がリベロのユニフォームを着た3年生に背中をさすられる姿は見たけれど、何を言っているかまではニュースの映像を見るまで知らなかった。知らなくてよかったかもしれない。知っていたらアリーナ席の一番前に座ったまま泣いてしまったかもしれない。(ちなみに2列目以降に座るのがかしこいです。最前に座るとコートの床が見えないよ!)

 

 

先にも書いた通りわたしはバレー観戦はすきだけど技術知識と経験に関しては素人だ。でもあの姿を見て、エースに「ごめんなさい」と言わせてしまうスポーツだったのか?と胸がぎゅっとなったし、それでいて同時に「自分が決めてチームを勝たせるのだ」「苦しいときこそ自分にトスを」というエースと呼ばれる人の持つメンタリティがとても好きで、常にそう思っているからこそ悔しいし謝るのだという彼らの姿も否定したくなかった。

 

あまりにもたくさんのものを背負いすぎていて時には敗北を自分のせいだと責める「エース」のメンタリティとプライドに触れるたびに、「そうじゃない」「そんなに背負わなくても」と思う気持ちと「だから好きだ」と思う気持ちとで脳内で戦争が起こるし一生終わらない。

青いユニフォームの1番を応援していたときもそうだった。自分のせいだと言わないで欲しいと思ったし、反面みんなの繋いだものの最後を託されて戦うという自分には到底真似できそうもない大仕事に十分すぎるほど大きな責任を感じている背中をとびきり格好いいと思った。

 

 

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なんかもうとりとめのないことしか書いていないのも分かっているしヤマも無ければオチも無いし、コートで戦ってもいないくせに未だに気持ちがぐちゃぐちゃのままなのだけど。

あまりの動揺で試合中取っていたメモも日車くんが抜けたところから止まっているのだけど。

7割近くのトスがエースに集まり、徹底的に対策し作られた壁に何度も阻まれる光景が頭から離れないけれど。

 

 

それでもまた彼が戦っているのを、鎮西が勝つのを見たい。敗北を知っているというのを強さに変えて、楽しそうに戦う彼が見たい。もう一度頂点を獲る姿を、黄色い3番のユニフォームで楽しそうにコートを駆け抜ける背中を、あのエースの満面の笑みを、できれば、決勝の試合終了後のコートの上で。

 

 

 

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とてもどうでもいい追記

 

 

まつりさん「俺が水町に似てるんじゃない!水町が俺に似てるんだ!年齢的に!」だそうです。たしかに。

わらうのでやめて~~~~~~(笑)ツーショットいつか実現しますように!!!

 

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鍬田水町コンビと憧れのクビアクに会えてうれしそうなかわいい水町くんはこちら

 

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